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電車が動き始めてからドアを開けた車掌

車掌
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2025年9月5日、朝8時5分ごろ、JR西日本のおおさか東線・久宝寺駅において、列車が動き始めてすぐに車掌が開扉するという事象がありました。

列車が起動した直後にドアを開扉した事象について(おおさか東線)

 

ドアが開いた状態で電車は約1mほど転がりましたが、幸いケガ人等はいなかったようです。

異変に気付いたのは運転士で、ノッチを入れている最中ですのでドアが開いたことでオフの状態になり、戸閉合図灯も消灯しているために直ちに制動をかけて停車したということですね。

ちなみに電車は時速5キロ以上になると、車掌スイッチ(ドアの開閉を行う乗務員室にあるスイッチ)を操作してもドアは開きません。(戸閉保安装置)

5キロ以上で走行中に車掌スイッチを「開」位置にした場合、運転士はノッチは入れられず、また戸閉合図灯も消灯します。

朝ラッシュの時間帯で8両編成の電車には約600名の乗客が乗車していた中でのこの事象ですが、JR西日本の発表によると、「正しい取り扱いにより閉扉しているかについて確認した際に、誤って開扉操作を行ったため」

そして新聞報道では2カ月間の車掌見習を8月に終え、独車(本務)になったばかりの方と報じられています。

 

私自身はさすがに起動直後の電車のドアを開けたことはありませんが、車掌時代に一度同じ光景を見たことと、運転士になってから一度だけ同じことをされたことがあります

車掌時代に見たのは、各駅停車を担当していて優等列車の待避で停車中のことでした。

優等列車を担当していたのが一つ年下の車掌でその様子を見ていたのですが、駆け込み客の体が車内に半分ほど入ったところで車掌スイッチを操作して、すぐさま出発合図のベルを運転士に送りました。

それこそ1mほど動いたところで車掌スイッチを開くので、

「お前、何してるの?」

と声をかけたことを今でも鮮明に覚えています。

おそらく、駆け込み客だと思いますが、服の裾がドアに挟まってホーム側へ出ていて、

「服を挟んでましたから」

動き出した電車のドアが一斉に開くその様子って、横で見ていると結構怖かったですよ。

動き出した電車のドアが急に開けば、何事かと車内のお客さんがドアから顔を出して一斉に見ますしね。

それに何も確認せずにいきなりドアを開けると、駅によっては先頭車がすでにホームから出てい可能背もある。

ドアが開いたけどそこにはホームがなかった……、なんて本当に転落事故の可能性もありますしね。

 

運転士になってから起動直後にドアを開けられた時は、とにかくビックリしました。

ノッチを入れた直後にコン!っていう音ともに切れてしまい、ユニットも動作していないし戸閉合図灯も消灯しているし、これはマズいと思って非常ブレーキを入れて停車。

横を見ると運転台はすでにホームから出ているので、これまずいんじゃないのって思いながら、窓から顔を出してホームにドアが掛かっていることを確認しました。

この時の車掌から聞いた話では、1人の客がドアから離れず付いて歩いているので、とりあえずドアを開けたと……。

 

今回のJR西日本での事案の説明、「それ本当のことを言ってるの?」とつい疑いの目を向けてしまいますが……。

出発直後に「正しい取り扱いにより閉扉しているかについて確認」をする必要があるほど、疑問と言うか自身の取扱いについて自信がなければ、運転士へブザーによる出発合図を送るな!

出発合図を送っていなければ電車は止まった状態でドアが開いただけで済んでおり、何事もなかったわけです。

車掌は学科教習と実技教習を合せても2カ月程度の見習期間しかありません。

でもつい先日見習が終わり一人で乗務を始めたばかりだから、なんて言い訳も通用するはずもない。

ベテランであろうが新人であろうが、同じ車掌として乗務し、責任の重さも同じようにかかってくるわけです。

そういった自覚が無さすぎるから、たった今操作した作業について疑念が生じ、側方監視(出発監視)もまともにせずに操作の復習をしたわけですね。

 

車掌の時に横で見ていた時には何も言いませんでしたが、

「こいつ、いずれ大きなミスをするかもしれない」

と心の中では思いました。

※この方、車掌時代には小さなミスか数あれど、大きなミスはありませんでしたが、運転士になってからそこそこ大きな事故をやらかし……。

 

運転士になってから起動直後にドアを開けられた時は、あまりにも腹が立ったし、下手して人が軌道内へ落下したらなんて考えて怖くなり、インターホンで車掌に怒鳴りまくり、終点に着いてからも直接怒鳴りましたよ。

 

まともに確認もせず惰性で出発合図を運転士に送るな。

電車が少しでも動いている時に異変を感じればそこは非常ブレーキの操作が第一。

そして必ず「車掌用後部限界位置」を超えていないかを確認し、できれば運転士へ一言連絡しろ。

 

車掌見習中にラッシュ時間帯になれば1000人くらいの人が乗車していて、お前の目の前の車掌スイッチをちょいと操作すると電車のドアがすべて開くんだぞ。

走行中には機械的にはドアは開かないことになっているが、ATSの故障などで解除状態になっていることもあるのだから、電車が少しでも動いている時には車掌スイッチには触れるな!

師匠だけではなく、助役にも何度もこんなことを言われたんだけどなあ。

それだけ私は信用されていなかったのかも……。


 


 

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