JR北海道・小樽駅で出発まで少し時間のある間に、運転士が私物の本を8分間読んでいたことが利用者からのクレームで発覚。
JR北海道も当該運転士への調査で事実だと確認し、以下のような発表を行っています。
JR北海道は度重なる不祥事によって「強化型保安監査体制」を適用されているさなかですから、北海道文化放送は揶揄うように「乗客は見ていた」なんてタイトルを付けて報じています。
昔はごく普通に出発時間になるまで、運転士が乗務員室内でマンガやスポーツ新聞を読むなんてことはあったし、酷い車掌になると夜間に遮光幕を閉じて乗務員室の電気を付けて、運転席に座りながら走行中に本(小説)を読んでたなんてこともありました。
古い電車だと乗務員室内の電灯は裸電球なので、車掌の頃に離合列車を見ると黄色い電気がついて座って読書中の車掌なんてのもよく見ました。
なので私からすると驚くようなことではないのですし、わりと寛容的な方は列車が動いているわけではなく停車中だし、運転する前にリラックスることも大事だとの見解を示すのですが、今の世の中ではこういうことは絶対に許さない人が多い。
JR北海道だから、強化型保安監査体制が適用されているからではなく、何があっても仕事中に、それも多数の人命を預かる職なのにって理由で許されはしない。
本を携帯して乗務するのはいいけど、読みたければ休憩所や詰所で次の乗務に遅れない程度にどうぞ、ということです。
今回一部のメディアで報道されたことで、他の運転士にも利用者からの視線がさらに厳しくなるでしょう。
それで困るのが、濡れ衣のクレームが増えることなんです。
たとえば、出発までの時間に乗務手帳に記入した徐行箇所や工事個所の再確認を私はよくしていたのですが、これでクレームを寄こす人が現れるんですよ。
「今日の運転士も本か何かを読んでいた!」って。
私がいた会社ではマンガやスポーツ新聞を読んでいてクレームが来たことは、時代的なこともあってなかったようですが、こういったことがなくなった2000年ごろからは、本当に濡れ衣でのクレームが激増しましたからね。
駅出発前に乗務手帳を見て再確認している時や、所属する乗務区のすべての行路・仕業を綴った行路表を見ていたりするとクレームが来るんですよね。
車掌の場合は停車中に乗務手帳や行路表を見ることはありませんが、駅間走行中に確認するとクレームが来ていたなんて事象もわりとありました。
そう言えば車掌が走行中、車掌用スタフで駅の入場番線をチェックしていただけで、
「車掌が乗務中に本を読んでいる!」
なんてクレームが来たこともあります。
実際のところ世間には乗務員をこのような目で見ている人もいるわけですから、JR北海道の件が報道されたことで、運転士を監視する目が今まで以上に増加するのは必至。
- アクビをしていた
- よそ見をしていた
- 速度が速かったのかいつも以上に揺れたetc
こんなクレームも増加するかもしれません。(経験談)
とにかく今の時代は人に見られる仕事は品行方正に、おとなしく仕事するしかないのかも。
どんな揚げ足を取ってくるかもわかりませんから。
でも会社は何があっても、揚げ足取りに対しては毅然とした態度を取らなければいけません。
そこで会社までが乗務員を切るような態度に出れば、当然ですが退職者が増加して人手不足、そして運転本数の減便でサービス低下といった、負のスパイラルに陥りますからね。
他にも原因はありますが、バス会社はこんな負のスパイラルに陥っているケースが多いですし……。