〝意識の低下〟でブレーキをかけ遅れたり速度が低下したり

思うことなど
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このところ〝意識が低下〟して運転に支障が出たとする報道をよく目にします。

2025年9月30日、東京発新函館北斗行きの新幹線「はやぶさ39号」が青函トンネル内で最高速度が160キロのところ、時速36キロまで大幅に減速しました。当時、運転士の意識が一時的に低下し運転できなくなっていた。

2025年10月22日、JR花咲線浜中駅で1両編成の普通列車が所定の停止位置から約110メートル行き過ぎて停止。30代の男性運転士は意識レベルが一時的に低下したため、漫然とした運転操作になってしまった。

意識低下とは書かれていませんが、考え事によって2025年10月17日、青い森鉄道、清水川駅で下り列車が所定停止位置から100メートル過ぎて停車し、車両全てがホームから外れた。

 

考え事と言っても、ほとんどの場合は真剣に何かを考えていたというのではなく、ボーっと何となく別のことを考えていたというか、半分夢を見ているような状態に陥っていたのではないかなと私個人的には思うので、〝意識の低下〟と同類だと勝手に思ってます。

これまでにも書いたと思いますが、運転していると目は開けているけど脳みそは寝ているというか、脳が別のことを考え何も見えていない状態に陥ることって起こります。

まさしく〝意識の低下〟です。

そしてこれらの報道がされればヤフコメには、集中力がない人を乗務させるなみたいなコメントが並びます。

それも当然だと思います。

だって、何も考えていない状態の人に命を預けて電車に乗ろうだなんて思えませんから。

 

私自身も〝意識の低下〟という状態で乗務したことはあります。

たまたまミスをせずに済んだので表面化していないだけですが、おそらく大半の運転士が同じような状態に陥った経験があると思います。

あくまで私の経験の話ですが、目は開いているけど脳が認知していない〝意識の低下〟の状態で運転し停車駅に接近した時なのですが、無意識のうちに手を動かしブレーキ操作しています。

だいたいホームに入った辺りで我に返り、その後は自分で意識してブレーキ操作し普通に止まる。

私だけではなく、同僚の中にも同じようなことを言っている運転士は多かったですよ。

中には数駅止めた記憶がなく車掌に、

「○○駅からここまでの駅、全部止めてたか?」

なんて聞く運転士もいましたし。

昔は誤通過防止の装置が入っていない駅も多かったので、無意識でブレーキ操作はしているんですよ。

ただ駅に近付いてきたらブレーキを掛けなければいけないという意識が強すぎるのか、通過駅なのに無意識でブレーキを掛けているという運転士もいました。

気が付いたら勝手にブレーキを掛けていたわけですから、寝てはいないのでしょうね。

 

意識の低下した状態って目は開いているけど実質寝ている状態、つまりは居眠り運転状態だとも言えますよね。

実際マジで寝ていて通過駅に止めようとしたり、停車駅に接近していることにも気付かず通過しかける運転士もいます。

こういう人は前日の夜に睡眠を十分に取れず(取らず?)乗務していることが多いと思うのですが、(遊んでいるのか、昔はアルコールチェックがなかったから長い時間飲んでいたとか)

しかし〝意識の低下〟状態に陥る時って睡眠も十分で体調も良く、頭もさえていて元気な時が多い

本当にエアポケットに入ったように、一瞬だけ意識が飛ぶという感じです。

居眠り運転とは真逆な状態かもしれませんが、結果的には同じようなことを引き起こしているので同列に並べられるのも仕方がない。

 

先にも書きましたが、〝意識の低下〟状態では停車駅を行き過ぎると言う事例は、少なくとも私の周りではほとんどないので、まああれですね……。

〝意識の低下〟状態で速度の低下を招くことは私は経験したことがないので何とも言えませんが、同僚の中には〝ボーっ〟としていて、ノッチを入れ忘れたという話をする運転士はいたのであるのかなあ。

ただその運転士はマジで居眠り運転が多かったのですが……。

 

〝意識の低下〟が起こる人は睡眠時無呼吸症候群(SAS)ではないかと疑う向きもあると思いますが、検査で引っかかる人もいれば私みたいに一度も引っかからず、検査結果を見た同僚に、

「お前は子供みたいに爆睡しているんだな」

と笑われたことも何度もあります。

※AHIはいつも2以下で、全体の評価ではA~Eの5段階評価でいつもA。同僚で最高はBだったのでいつもからかわれていた……。

 

〝意識の低下〟状態で駅に接近すると無意識でもブレーキを掛けるのって、結局はその前の駅を出発した後に次の駅を止めなきゃとか何メートルからどのくらいの強さのブレーキを掛けて止めようかなんて考えているからだと思います。

私はずっと各駅間でそんなことを考えながら運転していたので、これくらいしか思いつきません。

何駅も無意識な状態でブレーキをかけて止めていく人は、いくら考えても私にはわかりませんが、とにかく駅に止めるという意識だけが強かったのかな?

 

何だかとりとめのない文章になりましたが、私個人的に思うのは〝意識の低下〟した状態は体調が良い時に起こりやすく、周りではこの状態の時に駅を行き過ぎたという運転士はいない。

〝意識の低下〟と言ってもすべてに対するものではなく、運転士ならば駅に止めなければいけないという意識だけは残っているはずだから、無意識でもブレーキ操作は行うはず、少なくとも自分自身や周りの運転士はそういう認識だった。

最後に、実際居眠りか意識の低下なのかはわかりませんが、これだけいろいろあるJR北海道でこんなことやっちゃうの?っていう気持ちのほうが強いです。


 


 

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