元をただせば旧国鉄が全国に構築した「鉄道電話」ですし、さらに遡れば運転指令と駅(停車場・出発や場内信号機を備える駅)との連絡用に「指令電話」として構築したもののようですね。
ただ近年ではJRの各部署をはじめ旅行会社などJRと密接な関係にある会社・部署間の連絡用に使われていたようです。
毎月定額でJR電話に加入している電話同士で使えるし、何より今ではJR電話はソフトバンクが持っているので保守費用が発生せず使用料だけで済むので、JRグループとしては便利だったでしょうね。
ソフトバンクによると設備の老朽化が原因で終了とアナウンスされていることから、儲けも少ない割には保守費用が高くつくというのが本音なのかもしれないですね。
私は私鉄勤務だったので電話に関する事情はJRとはまったく違います。
まず「鉄道電話」という言葉は使っていませんでした。
あくまで社内専用回線を使った電話でしたから「社内電話」または単に「電話」と呼んでいました。
JR電話は全区に張り巡らされていることから3桁の「局番」があるそうですが(NTTで言うと市外局番に近い?)、社内電話には局番はなく4桁のみ。
そして駅や信号所のほか電気や車両部など現場の各部署のほか本社内でも使われていました。
ちなみに、私の会社ではかなり遅くまで「アナログ」回線でさらに「ダイヤル回線」だったので、ボタンを一つ押すたびに「プププププププ…」という独特の間がありました。
駅勤務のころや乗務員休憩所などに設置されていた電話機はダイヤル式の「黒電話」でしたしね。
※ボタンを押すたび発生する「プププププププ…」という間は、ダイヤルを回して元の位置へ戻るまでの間と同じ。1は「プププププププ…」の間は比較的短いけど、9や0はこの間がかなり長い。
あくまで社内電話なので、例えば電車は相互乗り入れしていても電話は乗入れは無理。
なので乗り入れ先の主要駅の主要な箇所(駅長室や運転指令)に私がいた会社の社内電話を引っ張り、電話機を設置して連絡できるようにはしていました。
もちろん相手の会社の社内電話も同様に引っ張ってきて、ごく一部の駅と運転指令に設置していました。
昔は別途「○○鉄道用電話機」みたいに別に設置していましたが、今は一つの電話機で切替できると思いますが……。
今はアナログ回線は使っていないし、電話だけではなく様々な通信に使っているので事情はまったく違っているでしょうね、駅にいたのは1980年代前半なので今の状況が分からない……。
社内電話なので一般加入電話(固定電話や携帯電話)にかけることはできませんが、昔は改札にいると
「電話を貸してくれ!」
なんて人がよくやってきました。
「いいですけど、社内専用の電話ですよ」
「0発信はできるだろ?」
「一般の回線にはつながっていないので0発信もできませよ」
毎回こういう会話へとつながるのですが、だんだん面倒になってきて、
「どうぞ!」
と言って貸しておいて、
「0を回しても外線につながらないじゃないか!」
と文句を言ってくるまでよく放置していましたよ。
最初のほうに
あくまで社内専用回線を使った電話でしたから「社内電話」または単に「電話」と呼んでいました。
と書きましたが、駅長室など一部の箇所にはNTT加入電話(いわゆる固定電話)がありましたが、こちらの電話は「公衆」とか「公衆電話」と呼んで区別していました。
※街中などにある緑色の「公衆電話」を指すのではなく、例えば「03-3581-4321」のような番号を持つ一般の加入電話すべてを「公衆」と呼んでいました。ちなみにこの電話番号をダイヤルすると警視庁につながります……。
国鉄・JRでも電電公社・NTT加入電話のことを「公衆」と呼んでいたとXの投稿で見ましたから、ここだけは国鉄・JRと同じだったようです。