最近よく耳にする座席のトラブルと言えば、指定席券を持たない人が勝手に座っていて、その席の指定席券を持つ人とトラブルになる、しかも勝手に座っている人は外国人……、というケースですね。
でも昔から日本人も指定席券を持たずに勝手に指定席に座っている、バレなければ儲けものみたいな人は多かったので、〝外国人〟だからという見方はちょっと違うような気もします。
昔、入社の同期生数十人で三重県の湯の山温泉へ出かけたことがあり、行き帰り近鉄の湯の山温泉発着の特急を使ったのですが、帰りの座席指定は発券ミスで座席がなかったことがありました。(帰りは時間の都合で四日市から乗車)
車掌さんに言って、丸々空いていた車両一両を使わせてもらうことになったのですが、7~8人は指定席券を持たずに勝手に座っていた人がいましたからね。
この時、難波駅に着くと駅長以下助役まで4~5人と、団体券を手配した旅行社の方数名がホームで一列に並んで、
「申し訳ありませんでした」
って謝られたこともありました。
近鉄側に落ち度があったわけではなく旅行社のミスだったので、近鉄の方には逆に申し訳ないなと思いました。
ちなみに旅行社は私が勤務していた鉄道会社系の旅行社で、後日かなり偉い方が乗務区まで謝りに来られました。
通勤車両でも座席に関するトラブルは昔から多く、私が車掌時代に遭遇した酷いケースだと、夕方の帰宅ラッシュで車掌台前の3人掛けの座席は、終端駅で私が乗務場所を変わってきた時にはすでに埋まっており、その前にも吊り革を持って立っておられる方もいる状態。
帰宅ラッシュの時間ですから当然ですね。
そこへ女性のお客さんが乗車してきて、座席前の立っている人を押しのけ、すでに3人が座っている3人掛けのシートに座ろうとします。
中高年女性だとわりと見る光景ですが、この時の女性は20代だと思ったのですが、お尻を無理やりねじ込んで座ったのです。
最も端に座っていた40代くらいのサラリーマンはお尻をずらしてかろうじて乗っけている状態になり、発車前に舌打ちしながら立ち上がって移動していきました。
無理やり座った女性はため息をついてゆうゆうと座り直し、その様子を見ていてマジで腹が立ったので直接注意したことがあります。
後日、別の乗客から言葉遣いが悪いとクレームが入って怒られましたが……。
あと、混んでいるのに座席に荷物を置いても平気な人っていますよね。
目の前に立っている人がいるのに、買い物してきたものを座席に置いたままな女性をよく目にします。
そこへちょっと血気盛んそうな50代くらいの男性が、その買い物してきた荷物へ座り車内で口論が始まり、仲裁に駆けつけたこともあります。
「混んでいるのに座席に荷物を送やつが悪い」
「一言言ってくれれば買い物してきたものくらいのけるのに」
個人的には座席に荷物を置くな!と思うのですが、その荷物目掛けて座った人もどうなのかなと思うので、荷物を置いていた女性が60、荷物にわざと座った人が40くらいの過失割合かなと思いますが、まあ言ってみればどっちもどっちなので私個人ではどうにもできず、結局は駅の係員に来てもらって対処してもらいました。
さすがに2025/10/20に山手線の車内であった、催涙スプレーをふり掛けるというのは傷害罪なので怖いなあという感想しか私にはありませんが、きっかけは立っていた人を押しのけて空席に座ったこと。
この女性がどういう人なのかはわかりませんが、これまで車掌や運転士として実際に見てきた私の視点からすると、周りを見ずに人を押しのけてでも座ろうとする方は一定数いますね。
あまり男性でこの手の人を見たことはなく、ほぼ女性ばかりかなと。
中高年の人は「すみません」とか「そこ座ります」なんて言いながら、狭い空間いお尻をねじ込むわけですが、若い方の場合無言で立っている人を押しのけて座ろうとするから、今回の山手線での事件に繋がったような気がします。
仕事帰りで疲れていたとか、体調の不調からどうしても座りたいという気持ちももちろんわかります。
でも、自由席って結局は早い者勝ち。
座席が空いているのにその前に立つ人がいれば、黙って押しのけるのではなく、
「すみません」
と一言言えばトラブルにもならなかったと思うんですけどねえ。