以前書いた記事にかなり付け加えた記事になっています。
ここのところXで見かけるポストと見ていて、思うところが大きくなって吐き出しましたからうまくまとまっていないし、不快に感じる人も多いかもしれませんが……。
JRバス東北が2023年末に、
「バスは発車時刻になると発車します。お客さまが発車時刻にいらっしゃらない場合でも、弊社からお客さまへご連絡すること及び、お客さまをお待ちすることはございません」
との呼びかけを年末年始輸送を前に行い、それに関連したニュースをテレビ朝日が報道しました。
このニュースの中で字幕には、
〝乗客遅れても「待たずに発車」〟
〝ヒッチハイクや5時間徒歩も〟
私はネットニュースで見ただけですが、このような文字までわざわざ入れていたそうです。
高速バスで高知から京都への移動中、徳島のサービスエリアで“置き去り”にされた。
バス会社に連絡したがどうしようもできないと言われ、仕方がなくヒッチハイクで拾ってもらったそうですが。
高速バスによっては途中の休憩地(SAやPA等)の発車の際に運転手によって人数を数えることもありますし、
「横におられた方は戻っていますか」とマイク放送で尋ねる運転手もいますし、時間になればドアを閉めてすぐに発車という運転手もおられます。
そもそもですが、高速バスは乗合バズと言って〝一般乗合旅客自動車運送事業〟の中の〝路線定期運行〟に分類され、街中を走る路線バスと同じ形態。
ルートや止まる停留所、そして時刻も決められて運行しています。
置き去りという言葉が通用するとすれば、決められた停留所に止まらなかった、もしくは早発したというケースでしょうか。
決められた時刻に出発、SAやPAでトイレ休憩する場合も出発時刻が告げられますから、その時間に戻ってこなければそれは置き去りではなく乗り遅れです。
乗り遅れは乗客側に非があるだけで、バス運転手には何の非もありません。
決まった時間に出発しただけですから。
出発時間に来たのに乗れなかったとか、早く出たんじゃないかとのクレームは鉄道でも本当によくあります。
そこでおさらいになりますが、出発時間とは列車やバスが動き出す時間のことです。
時刻表に書かれた時間にやってくれば乗れるというものではありません、動かす前にドアを閉めなきゃ発車できませんからね。
バスでも列車でも、ドアを閉めて発車させようと思ったときに走ってやってきたり、待ってくれ!なんて叫ぶ人もいます。
クソっ!と思いながらドアを開けると、息を切らせて乗り込んできて言う言葉が「間に合った」とか「ギリギリセーフ」
そもそも間に合ってもいないしギリギリセーフでもなく、その人に対してだけ特別なサービスをしただけです。
待たなかったらクレームを入れる人があまりにも多く厄介だと思うから、仕方がなく待っているだけです。
他の乗客に迷惑をかけているという自覚を持つべきではないのかなと、私は個人的に思いますけどね。
そもそもですが、列車やバスの乗務員が遅れてやってきた人を待つという行為は、多くの利用者に迷惑を被ることが分かっていて遅らせることになるわけで、それはちょっとおかしいと思うし本来やってはダメな行為だと思いますけどね。
きっぷを購入したり料金を支払って乗車するから、その目的地まで輸送してもらえる権利は有しています。
しかし、その列車やバスに乗るには、決められた時間に来て乗車するという客側の責務も当然あるわけで、その人ひとりに対してだけ発車を遅らせて待つという、特別なサービスを提供する義理なんてありません。
それでも待つ理由は、
クレームをもらう=乗務員が悪い
そんな公式を事務方・社局側が持っているため。
乗務員や駅員が悪いということにしておけば、事務方・社局側が後の処理が楽だからなんですよね。
※こういう理由で人手不足に陥り、今になって泣きを入れる事務方・社局側……。
バスであろうと鉄道であろうと、多くの人は決まった時間に目的地に到着すると思って乗車しています。
バスならばラッシュ時間帯の渋滞もあれば、乗り降りに時間が取られて遅れることも多々ありますが、定時着が当たり前だと思っている人からバス運転手に直接文句を言う人も多い。
舌打ちとか睨んでくるような人も多いようですし。
ダイヤの設定に無理があったりもするでしょうし……。
これは鉄道でも同じで、ラッシュ時間帯で乗降に手間取って遅れることもあれば、事故だったり事故を未然に防ぐ装置が動作して遅れることもあります。
車内で急病人が出てその対応のために遅れることもある。
最近だと撮り鉄が敷地内に無断侵入して運行を妨害したために遅れることもあります。
でも定時着を求める多くの人から乗務員や駅員は文句を言われたり舌打ちされたりもするし、ホームで列車の到着を待っている人からは、自分の腕時計を指差しながら入駅してくる運転士を睨みつけてくる人もいる。
もちろん社局側のミス(故障や操作ミスなど)ならば文句を言われるのも仕方がないです、だって社局側が遅れる要因を作り出しているのですから。
その場合は目一杯謝罪するのは当然ですね、だって社員ですから。
でも実際に遅れる要因のほとんどは乗務員や駅員が起こしたものではなく、外部要因が大半です。
それでも遅延は許さないとなると、無慈悲な対応に終始するしかないですね。
バスの運転手の多くが不愛想とか、バスのドアの前に立っているのに乗せてくれない、待ってと叫んで走っているのに待ってくれないなんて書き込みをXで見ますが、仕方がないし世の中の多くの人がそういう方向へ導いたのでは? としか思えません。
だから私の考えでは謝罪の必要はなく、遅れた原因を淡々と伝えるだけで十分だと思います。
遅延が社局側が原因でなくとも、たとえ1分の遅延でも謝罪するべきだなんてXでの書き込みを見ましたが、そういう人ってスーパーやコンビニのレジで、前のお客さんがもたついて自分の清算が遅くなったときは、店員が自分に対して謝罪するべきだなんて考えているのかな。
ついでに書くと、必ず定時で運行するとか必ず所定の時間に到着することなんて保証はしていないし、そもそもそういう契約は行っていない。
定期券でも乗車券でもそうですが、目的地まで運送する契約として券面に駅名は書いていますが到着時間までは書いていない。
JRだと特急列車が2時間以上遅れた場合には特急料金の払い戻しはありますが、運賃に関して払い戻しはありません。
あくまで目的の駅まで輸送すればそれで契約は遂行したことになりますから。
もちろん決められたダイヤで運行するように努めるのは乗務員の基本中の基本です。
わざと遅らせたり、全然無理しなくても少しは時間を取り返せるのにそれをしないのは、私からすると乗務員失格だと思いますよ。
※今までの経験で言うとわざと遅らせる列車の運転士もいましたし、遅れる要因がないのにダイヤ通りに運転できない運転士もいました。そういう人に対して私は直接文句も言ってました。迷惑だから運転士を辞めろと数人に言ったことも……。
でも法律や各社の規定を違反してまで時間を取り戻せとは言えないし、言ってはいけないことですしね。
車掌をしていた時に、置き去りにされたとクレームが入ったことがあります。
普通列車で緩急接続のために4分ほどの停車中にトイレへ行ったその乗客。
トイレから戻ってきたら列車が動き出していて、
「乗せろ!」
と喚き散らしていたのは覚えています。
正直言って車掌をしていた私にすれば、
「時間までに来たら乗れるだろ」
としか思いません。
その人はそのあと駅にクレームを入れて、私は休憩時間に助役に引っ張られて事情聴取を受けた。
「何か悪いことしました?」
と助役に言って終了でしたが、昔からこういう人はいるんですよね。
ちなみにその人は財布などが入ったカバンを網棚に載せたままトイレへ行っていたので、よけいに「乗せろ!」と喚いていたようですが、それも自身で管理ができていないだけのことです。
とにかく最近はきっぷを失くしたが領収証やカードの利用明細があるのに料金を請求されたと言った話も含めて、度が過ぎたというかあまりにも自己中な意見を展開する人が多すぎてどうなっているのかなって思います。
事務方など社局側がもっと利用者に毅然とした態度を示さないと、人を募っても集まらないどころか、今働いている人たちも逃げていきますよ。