きついブレーキばかり掛ける会社とだらだらブレーキを掛ける会社

思うことなど
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Xでたまに流れてくる、ブレーキがきつすぎて各駅で軽く将棋倒しが起こるっていうポスト。

特に山手線でブレーキがきついというポストが多い気がします。

コロナ禍以降いったん減らした運転本数を増やさない、増やしたとしても以前ほどの本数にはなっていないことで、特に休日の日中の混雑が激しいために遅延気味の列車を、乗務員としてはなんとか回復させるためと言う理由かなと思っていたのですが、そうでもないような気がしました。

先日所用でJR神戸線を利用したのですが、若干遅れ気味で運転していた各駅停車の運転士は、すべての駅でブレーキがきつく、立っている人はつんのめらないように各駅で踏ん張らないといけない状態。

こういう状態のことを軽く将棋倒しが起こると言っていると思うのですが、たしかにちょっと雑過ぎるブレーキですね。

 

今は大手の会社では電磁直通ブレーキの車両をあまり見なくなり、特にJRの都市部の路線ではほぼ電気指令式ブレーキの車両に置き換わっています。

電気指令式のブレーキは応答性が良く、操作後1秒以内に操作した段数の制動力が得られます。

例えば一気に5段へ入れれば5段の制動力が的確に得られますから、運転士としては本当に楽です。

でもまったくブレーキがかかっていない状態から一気に強いブレーキがかかれば、乗客にとってはたまったものじゃない。

前方へ投げ出されそうになるから強く踏ん張らないといけないですからね。

運転士は自分で今からブレーキを操作することがわかっているから、何とも思わない。

だから運転士は平気な顔してすべての駅で強いブレーキを掛け続けるのでしょうね。

 

JR東日本は経済運転を実践させているから、ギリギリまでブレーキを掛けずに突っ込んで一気に強いブレーキを掛けるみたいなポストも見ました。

通常より速度を落として力行時の電気使用量を減らし、遅れないようにするために適切な距離からブレーキを掛けるっていうものですが、だからと言って乗客に不快な思いを感じさせる強いブレーキを掛けても良いとはなりません。

たとえば一気に6段くらいのブレーキを入れるのではなく、2~3段のブレーキを入れて制動力を感じてから6段に入れれば、それほど強いブレーキとは感じません。

それに応答性の良い電気指令式のブレーキですから、1秒で制動力を感じられます。

時速80キロとしても1秒間で進む距離は22m。

たったそれだけの距離を取るだけで乗客のブレーキに対する不満はかなり軽減されます。

それに22mだけ制動距離を余分に取ったところで、それほど経済運転に影響はしませんよ。

※最初に2~3段のブレーキを入れて後に6段に入れるようなブレーキ操作の場合、実際には10mほど制動距離を長く取るだけで十分です。

だいたい、一気にブレーキを入れてもそれほど不満に感じられなかったのは、電気指令式ほど応答性が良くなかったから。

ブレーキ操作だけを見ていると、電気指令式なのに電磁直通ブレーキと同じようなブレーキの掛け方をしているわけですが、こんな制動方法を会社が指導しているとか、会社が認めているのかな。

このようなブレーキ操作をしていたら、私の友人や兄が勤めていた某私鉄だったらかなりクレームが入って大変なことになっているけど、JRは全体的にそういう運転をする人が多いから問題にならないのかな。

もちろん定位置停止装置(TASC)による影響も否定はできないけど、導入されていない路線でもきついもんなあ。

 

私がいた会社や兄や友人がいた会社の運転を見ていると、JRとは逆にかなり距離を取って運転しています。

こんなに制動距離を取って運転しても指導されないのって思うほど、制動距離を長く取る運転士もいます。

たしかに乗り心地という面ではJRよりはいいと思いますが、ホームの中ほどでかなりブレーキを緩めて、停止目標の近くで追加して停車させる運転士の多いこと。

ブレーキを緩めたり追加したりを繰り返すことを昔は〝舟を漕ぐ〟と言ってバカにされたし、あまりに長い制動距離を取ると〝馬の小便ブレーキ〟なんて言われもしましたが、どうにも最近は両方を兼ね備えた運転士が多いですね。

 

JRの場合、おそらくですが上司からの指示が厳しいのかな。

できるだけ長く惰行運転して電気代を節約する経済運転に徹しろとでも言われている気がします。

そんな指示もなく運転士の考えであのようなブレーキを掛けているとすれば、もう少し考えろとしか……。

私がいた某私鉄をはじめ兄や友人がいた某私鉄の場合は、ミスを恐れてとにかく慎重に運転しているのか、ちょっときついブレーキを掛ければ即苦情が舞い込むからその対策なのかな。

それに上層部が電車なんて遅れたってかまわない、とにかく安全最優先との考えから、あまり遅延に関して何も考えずにマイペースで運転している結果かも。

 

鉄道でもバスでも運転士という職業はサービス業ではなく運輸業いう職種。

だからと言って〝運べばいいんだろ〟との考えだけではダメですよね。

運転士というプロなんだから、運転に関して不快に思われるようでは失格ですよ。

以前に「運転が下手な運転士が増えている気がする」なんて記事も書きましたが、下手というより考える余裕を会社が与えていないのかなという気が最近はしています。

昔はホームに止まりきれず少しはみ出して止まったとしても、正規の取扱いでバックして乗降できればお咎めなんてありませんでした。

だから運転士は各個人でいろいろな運転やブレーキの掛け方を研究できました。

今なんてすぐにネットニュースで広められるものだから、向上のための失敗も許されません。

失敗して覚えていくということができないから、会社からの指示に従った運転しかできないのかもしれません。

 

だらだらと書いてので取り留めのない内容になりましたが、昔ほど運転士って魅力のある仕事ではなくなっていますね……。


 


 

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ご覧いただけたら幸いです。


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