2025年1月13日19時15分ごろ、車掌がメガネを落としたことが原因で客扱いを行うことは不可能と判断し、途中の駅で回送扱いとして乗客約300人を下車させたという事案がありました。
JR西焼津駅でのことで、車掌が指令に報告したことで指令が判断したという事でしょうね。
JR東海静岡支社のコメントによると、車掌の裸眼視力がマニュアルの基準に達していないことから、客扱いは不可という判断を下したようです。
何でも窓から顔を出した際に強風にあおられ、それで落下したというか紛失状態になったようです。
当記事は2019年2月7日にJR千歳線北広島駅付近で起きた件をもとに書いたのですが……、
JR千歳線に約1時間10分の遅れ 走行中の列車から車掌が眼鏡落とす
走行中の列車の車掌から指令に対して
「メガネを失くしたのでこれ以上の乗務はできない」
との無線が入った。
手前の駅でメガネに付いた雪を取ろうとした際に線路内へ落したそうだ。
代わりの車掌の手配のために1時間10分ほどの遅れが出て、乗客約300人に影響が出たという。
昔は車掌の手配を行ったために1時間10分の遅れ、今回の件では回送列車とするために乗客全てを下車させた、ただし遅れは最大で20分程度だった。
車掌の視力に関する規定は各会社ごとによります。
運転士とは違って国が定めた基準というものはありませんが、各会社で運転士とほぼ同一の視力を車掌に求めているというのが現状ですね。
予備のメガネに関してですが、これも会社によってかなりの違いがあります。
運転士でコンタクトレンズを使用している人に関しては、予備のメガネを携帯するという運用がされていますが、これはたしか国からの通達があったように記憶しています(すみません、あやふやです……)
メガネを使用している人に関しては、予備のメガネを携帯するようにという指導は会社ごとによると思います。
少なくとも私がいた会社ではコンタクトレンズ使用者への予備メガネを携帯する以外の指導はありませんでした。
今回のJR東海の件で予備のメガネに関する議論が各会社で起きるかもしれませんし、予備のメガネだけではなく、書けているメガネが落ちないようにチェーンを付けるといった対策も考えられるかもしれませんが、どうなるんでしょうかね。
昔の運転士に対する視力の規定はかなり厳しく、裸眼またはメガネを付けて片眼の矯正視力1.0以上とか、レンズの屈折度の制限(近視は8.0ディオプトリー以下、遠視は3.0以下)もあるなど、鉄道会社に入ったものの運転士は諦めざるを得ない、そんな人も現実に数多く見てきました。
現在では信号機のLED化や保安装置の精度向上などによって視力の規定もかなり緩くなり、裸眼または矯正視力で両目で見て1.0以上、そして裸眼または矯正視力で片目それぞれ0.7以上あればOKです。
レンズの度数に関する規定もなくなっています。
先ほども書きましたが、車掌に関する視力の規定は各会社によります。
ただ現在では駅→車掌→運転士とステップアップしていくルートが一般的ですから、車掌に対しても運転士と同等の視力を求めるのが一般的です。
先々は運転士になってもらう……、という考えのもと入社してもらっているのだから、車掌の時点で運転士と同等の視力を求めるということですね。
私がいた会社のベテランの車掌さんたちは、昔の基準で車掌になっています。
昔は車掌の登用試験で視力の測定はするものの、運転士の視力の基準を下回っていても車掌になれていたようです。
私が車掌になった昭和50年代は運転士と同一の視力が求められていたので、健康診断の視力測定もシビアだったのですが、ベテランさんたちは……、って感じでした。
そんな背景があるから、昔の車掌はメガネの紛失や壊れたなんて事象があっても、そのまま乗務を続けていました。
メガネを落としたなんて無線で報告するのが恥ずかしいと考える人が多かったから。
それで乗務区に帰ってきてから、
「メガネが壊れたから乗務できない」
と申告して、それ以降の乗務はしないという選択が普通。
昔の車掌の中には、メガネが壊れたから今日は乗務せずに待機だけで仕事が終わる、ラッキー!みたいな人が多かったですから、私がいた会社では……。
私はこういった経験はありませんが、私が車掌でもメガネが壊れてもそのまま乗務し、乗務区に戻ってから助役に相談するという選択をしただろうな。
ただ現在は世間が許さなくなっているから、こんなことをすれば叩かれまくったうえにもう二度と乗務はできなくなるでしょうけど。
2019年2月10日の記事を再編集しています

