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沿線火災発生で係員が現場へ急行する理由

助役や運転指令
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線路に隣接した建物などで火災があれば、鉄道施設への被害状況や安全確認のために係員が火災現場へ急行します。

線路の真横で炎が上がっていれば当然のことです。

また煙による視界状態の確認も必要ですので、線路から離れた場所での火災の場合にも係員が現場へ急行します。

火災現場が100m以上離れていても、風向きによっては煙が線路内へ流れ込んで運転に支障することがありますから。

火災現場へ係員を急行させるために、火災発生を確認した乗務員はすぐに列車無線で運転指令に報告し、その無線を聞いた係員が現場へ急行します。

そのために乗務員も運転しながらある程度の状況を確認するのですが……。

運転中前方に大量の煙が上がっているので確認したばかりに…
今年(2025年)は岩手県大船渡や山梨県大月、愛媛県や岡山県など各地で大規模な山火事が発生しています。愛媛県の山火事では予讃線の伊予桜井駅にも延焼するなど大きな影響を与えました。25日午後1時半ごろ 愛媛県今治市にあるJR予讃線の伊予桜井駅...

 

私が勤務していた会社では原則的に駅の係員が火災現場へ赴くことはなく、乗務区の助役だったり保安担当の係員が急行することになっています。

ただ火災発生個所が駅の裏手ならば駅の係員が急行しますし、駅から離れた場所の場合でも乗務区の助役が到着に時間がかかる場合には、運転指令の指示によって駅係員が状況を確認し運転指令へ連絡するなど、乗務区の助役が到着するまでのつなぎをすることはありました。

※乗務区と駅って昔はめちゃくちゃ仲が悪くて、「この事案の担当は駅」「この事案は乗務区」って線引きしていて、助け合うなんて感情は微塵もなかった……。今はそれほど仲は悪くないと思いますが。

 

稀にですが、線路から離れた箇所での火災で、なおかつ煙による影響もないのに運転を休止せざるを得ないことがあります。

昔ながらの住宅密集地で火災現場周辺の道路が狭くて消防車が入れない場合、消防車を線路沿いに止めてホースを伸ばして消火活動を行うのですが、そのホースを線路上に横断させて活動することがあるのです。

さすがに消火活動を行っている消防のホースを無視して列車を運行させるわけにもいかず、線路上をホースを横断させてしまった場合には抑止せざるを得ないのです。

一定間隔で線路の下に消防のホースをくぐらせる横断溝を設けてはいるのですが、消防士さんにすれば一刻も早く現場へ行き消火活動をとの思いから横断溝を使わないことがあるのです。

だって横断溝にホースをくぐらせるより線路上にホースをまたがらせるほうが簡単だし時間もかかりませんからね。

火災現場へ係員が急行する理由の一つに、消防車から伸ばすホースを線路上にまたがらせずに横断溝を利用するようにお願いするという仕事も実はあったりするのです。

言ってみれば消防隊員より先に火災現場へ到着するように、運転指令による的確な指示が必要だったりするわけです。

乗務区の助役など係員はずっと乗務区に詰めているのではなく、添乗して運転士や車掌に指導監督する仕事もありますし、線路状態などを添乗しながら確認する仕事もあります。

そしてどの係員がどの辺りを添乗しているのかを乗務区や運転指令がある程度把握しておくことで、火災現場に最も近い係員を急行させることができるわけです。

 

ちなみに緊急ですので火災現場近くに列車を停車させて係員を線路上へ降ろすことになりますが、駅ではない場所に電車を止めて社員を降ろした! なんてクレームが時々舞い込みます。

「家に近いから駅ではない所に電車を止めて社員同士で便宜を計っているだろ!」

駅間に停車させて添乗者を線路内へ下すときは、沿線火災のほか踏切の遮断棹(遮断棒)の折損、事故など急を要する時だけで、家に近いからという理由で駅間に停車させて降ろすとことはありません。

ちなみに処置が終わり撤収するときは駅まで歩いて行き、駅から乗車します。


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