速度計の表示に違和感、新快速が運転取りやめ JR東海道線で列車に遅れ

こんな記事が出ていました。
長浜発網干行きの新快速で、運転士が速度計に違和感を感じた旨を運転指令に報告し、野洲駅で運転を打ち切った。
野洲には旧野洲電車区(いまは派出所?)があって、新快速用車両も留置されているからここで打ち切りとする判断を運転指令がしたということですね。
記事だけではどのような違和感を速度計に感じたのかは分かりませんが、運転士の速度の感覚と速度計が示す速度との間にかなりの乖離があったのでしょうね。
かなりの乖離なんて書くと10Km/hとか20Km/hの差があるように思うかもしれませんが、5Km/hも違っていれば気付かない運転士はいません(そう願いたいのだが・・・)。
枕木が流れていく感じや架線柱が流れていく感じからほぼ正確な速度が分かりますから。
でも体調がいまいちだったり、お疲れ気味だったりすると、速度感が狂うというよりも全然分からなくなることはあります。
でもそういう時って必ず実際の速度より速く感じるんですよ。
なのでブレーキをかけるタイミングが少しずつ早くなって、止めなきゃいけない場所(停止目標)のはるか手前で失速気味いなることも・・・
以前に書いたことがあるのですが、正確な速度感を養うことができていない運転士もやはりいます。
ブレーキが甘い(ブレーキの利きがもう一つ)と交代時に引継ぎされて、実際に運転してみると自分の速度感と速度計の表示が違う。
とりあえず速度計を信じてブレーキをかけてみたものの、全然距離が足りない。
そこで次の駅では自分の速度感を信じてブレーキをかけたところ、特にブレーキが甘いということはなく正常だった・・・
操縦試験では速度観測(今何Km/hで走行しているか)と速度調節(指示された場所までに指示された速度に落とす)が課されますが、速度計に目隠しをして行いますので速度感が身に付いていないと試験に落ちてしまい、免許証の交付も受けられません。
なので見習中は必至で速度感を養うための訓練を行うのですが、動力車操縦者免許の交付を受けて一人で運転しだすと速度計に頼りっきりになる運転士がいるのも実情なんです。
昔は速度計が壊れて動かなくなるトラブルって少なからずありましたから、速度感が衰えると怖くて運転士なんてしていられませんでしたけどね。
逆に今はATSをはじめあらゆる保安装置は速度計が示す速度によって動作していますから、速度計が正確に働いていないと保安装置が動作する原因になるから、運転士は速度感を常に養っておく必要があるのかもしれません。
そう思うと、今回のJRの運転士はきちんと速度感を養った状態をキープして運転していたのでしょうね。
私が勤務していた会社の運転士は大丈夫かな・・・