JR東日本は働いている人数や列車の本数が多く、営業距離も長いからか様々な話題を提供してくれる会社のような気がします。
東京の会社だから同業他社よりネットニュースで取り上げられやすいことも影響しているのかもしれませんが。
2025年12月15日、我孫子駅を6時26分に発車する勝田行き普通列車の出発準備ができていないのではないかと、同駅の駅係員から運行を管理する部署(輸送指令かな?)に出発の10分前に連絡が入った。
同列車の担当運転士は同駅に隣接する仮泊施設で起床した後、5時33分の点呼時間より早く5時20分ころには点呼を行っていた。
ところがまだ時間が少し早いということで仮泊施設に戻り二度寝してしまった。
出発準備が行われていないと連絡を受け、仮泊施設で熟睡中の運転士を起こして同列車は24分遅れで出発した。
朝起床して仮泊施設から移動して点呼を受けたまではいいけど、まだ時間があるとして〝時間調整〟のために仮泊施設に戻ったとのことですが、私がいた会社の場合、起床後に点呼だけ済ませて再び寝るだなんてことは、乗務員では聞いたことがありません。
駅はありましたけどね、券売機や自動改札を動かしてから布団に潜り込むってことが。
それもどこの駅でもと言うわけではなく、売店の係員さんが電車から降りてきて仮泊施設前を通る時に、ガラスの窓をドンドンと叩いてそれで起きるって感じだったので、ごく一部の駅だけだったかな。
乗務員の場合ですが、私がいた乗務区では点呼を終えてからコーヒーを飲む乗務員が大半でした。
眠たい!って言いながらコーヒーを飲んでいましたし、JRとは違って運転士と車掌は同じ乗務区に所属し同じ行路に乗務するという関係性から、たいていの場合は運転士と車掌が並んでコーヒーを飲んでいました。
なので朝の点呼の後に仮泊施設で寝てしまうっていう乗務員はいませんでした。
ただし朝のラッシュ時間帯に列車を担当した後の休憩時間がバカみたいに長い、そんな仕業がいくつかあって、その場合には仮泊施設で一眠りする乗務員はいました。
ラッシュの時間帯はたくさんの乗務員が必要ですが、その後の時間帯になると列車の本数自体が減って、乗務できる列車が少なくなるのでその分休憩時間が長くなるためです。
この場合の仮泊施設利用に関してもルールがあって、出勤管理を行う助役に仮泊室で仮眠することを伝える。
起床時間も伝えて、助役が自動起床装置のタイマーを設定する。
〝昼寝札〟と呼ばれていた仮眠を示す札を仮眠する部屋のドアに掲げておく。
タイマーで自動起床装置が動いているのに起きて来ない場合、助役が〝昼寝札〟を掲げている仮眠室に入って起こす、となっていました。
夜間は仮眠室を間違えることはまずありません、何せ仮泊施設を利用する乗務員は多いですから。
〝昼寝〟になるとそれほど利用する乗務員がいませんので、タイマーをセットしてもらった部屋ではなく、別の部屋に間違って入って寝ている可能性がありますから。
でも先に書いたように運転士と車掌はセットで乗務しますので、仮眠室ではなく休憩所の隅のソファーで横になって寝る乗務員のほうが多かった。
で、寝る前にその日の乗組みに、
「あそこで寝ているから、時間になったら起こしてくれ」
早朝にコーヒーを飲んでも眠気が取れない乗務員が当然いますが、このように伝えておくことで二度寝による列車の遅延を防いでいました。
