ケガ人もいないし大きくダイヤを乱したわけでもない故障の話なので、マスコミでここまで大きく取り上げるのはどうなのかなと思いますが……。
元日の15時3分ごろ、熊本市交・動植物園入口電停で健軍町発田崎橋行きの電車を発車させるため、運転士がコントローラーを回した際に、制御器付近から火花と煙が発生した。
車両は1097号で古さを強調したいのか1955年製とも報じられています。
〝けが人は出ておらず、交通局は今回のトラブルを公表していなかった〟
車両故障が起きたことは事実だけど、それほど大きな影響を与えていない本事案で公表する必要なんてないと思うけど、熊本市交はかなりのやらかしがあったためか、本当に些細なことに対してもマスコミの追及がかなり厳しくなっていますね。
〝事故につながりかねないインシデントには「当たらない」と説明している。〟
熊本市交の事務方がマスコミに追及されて答えたのでしょうね。
路面電車などは架線から取り入れた電気をそのまま運転台にある制御器に取り込み、直接制御する直接制御が一般的。
600Vの電気をそのまま引き入れた制御器のコントローラーを運転士が操作しています。
直接制御することから応答性もいいし、言ってみれば部品や機器の点数も少なくて済むので保守点検も容易になるし、何よりも経済的にも優れています。
ただ近年は直接制御で製造される車両は少ないのかな?(よくわかりません)
私が所属していた会社では架線電圧が1500Vで間接制御という、一般的な鉄道車両しか使われていませんが、その昔、昇圧前の600V時代は直接制御だった(らしい)
私よりはるかに年上の先輩方に在職中によく話を聞かせてもらいましたが、直接制御のコントローラーって何かの拍子に火花が飛ぶことは日常茶飯事だったと言ってましたね。
進段するタイミングが少し早いとその瞬間に火花が飛び散り、オフの状態になるのだとか。
この火花はコントローラー内部だけで飛ぶのではなく外にも飛び散るそうで、昔の運転士の多くは腕などにやけどの跡が多数あったなんて話も聞きましたし、そのやけどの跡が消えないと言いながら見せてもらいましたしね。
路面電車とは違い昔から100キロ以上で走行していましたから、火花が飛び散る回数も段違いで多かったのかもしれません。
ただ間接制御であっても発煙することはあり、マスコンからいかにも電気による発煙のニオイ(これでわかるかな?)がしたなんてこともあります。
直接制御とは違い1500Vを運転台に引き入れているわけではありませんが、それでも電気回路の不具合によっては発煙することもあるわけで、古い車両のコントローラーならば事故に直結することはなくとも、発煙くらいは起きるのかなと思います。
ただ今回の熊本市交の場合は自走出来なくなったそうですから、回路がショートしてダメになったのでしょうかね。
運転台からの発煙で思い出すのは、マスコンではなくブレーキ弁からの発煙です。
おバカな運転士が電磁直通ブレーキのブレーキ弁が固くて操作しにくいと列車無線を入れたのですが、車両番号を聞いたその他の運転士の多くが、
「それは固いんじゃなくて、重たいの間違いだろ」
と言って大笑い。
なのにおバカな助役がCRC 5-56を持ってその電車の到着をホームで待ち、到着した瞬間にブレーキ弁に5-56を噴射し始めた。
確かに錆も浮いていてハンドルが動かしにくかったのはありますが、ただ単に重いだけのブレーキ弁は直るはずも無く。
「もう少し浸透させなきゃいけないな」
そう言うと助役は5-56をふり掛けながら、ハンドルを何度も全緩めと異常ブレーキの間を回し続けます。
するとやがてブレーキ弁の内部に5-56が流れて行ったのでしょう。
〝バーン!〟
という大きな音と白煙が乗務員室内に充満しました。
その電車そのまま担当していった後輩運転士は、けっこう不安を感じていたでしょうね。
