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なんで時間ちょうどに出発させるんや!

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だいぶ前にも書きましたが、電車が早く出発したという早発に関するクレームって意外と多いです。

やはり多いのが時刻表に書かれた時間に来たのに電車に乗れなかったというクレームです。

出発時間ってドアが閉まって電車が動き出す時間のことですから、時刻表に書かれた出発時間より早くホームにいなければ乗車することはできません。

時刻表の時間に駅に来れば乗車できると思っている人、ホントに多いですよね。

 

 

私が車掌のときですが、始発駅で優等列車の出発を待っていました。

出発時間の少し前にレピーター(出発反応標識)が点灯します。

レピーターは出発信号機が進行を指示する信号現示となったとき点灯します。

始発駅なので出発案内の自動放送が流れて、発車ブザーが鳴り響きます。

手持ちの時計を確認し、手笛を長一声で鳴り響かせます。

乗降状態に異常がなく、乗車する人がいないことを確認してドアを閉めます。

誰も挟まれていないか、そして側灯がすべて消灯していることを確認して運転士に電鈴合図を送ります。

そこでチラッと時計を見て定時に出発したことを確認し、あとは出発監視を行うのですが。

 

 

「おーい、ちょっと待ってぇ!」

ホームにつながるエスカレーターから大きな足音ともにその声は聞こえてきました。

しかしすでに電車は動き始めており、異常があるわけではなので電車を止めるわけにもいきません。

エスカレーターを昇りきった所で立ち尽くすおじさん。

出発監視をする私がそのおじさんの前を通り過ぎるときに、持っていた大きなカバンを振り回して

「なんで時間ちょうどに出発させるんや!」

本当ならばカバンを振り回している時点で危険行為が行われたとして電車を緊急停止させ、そのおじさんをとっ捕まえて駅事務室経由で警察へ突き出しても良いのです。

でも

“なんで時間ちょうどに出発させるんや!”

って発言に吹き出してしまった私。

電車を止めることなんてすっかり頭から消えていました。

 

定時に出発したことを認めていて、そのことに対して怒っているなんてねぇ。

いろんな人間を見ることができて、ある意味面白い仕事ですよ車掌って。



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