今年(2025年)は岩手県大船渡や山梨県大月、愛媛県や岡山県など各地で大規模な山火事が発生しています。
愛媛県の山火事では予讃線の伊予桜井駅にも延焼するなど大きな影響を与えました。
25日午後1時半ごろ 愛媛県今治市にあるJR予讃線の伊予桜井駅の付近で火災が発生し 消防が消火活動にあたっています
▼愛媛の山林火災 最新情報をお伝えしています▼https://t.co/Ov8VGyZbTy#nhk_video pic.twitter.com/Cz135TKnAF
— NHKニュース (@nhk_news) March 25, 2025
NHKがXに伊予桜井駅での火災と消火の状況を投稿していますが、安全面や規則等を含めていろいろと指摘できる面がありますがここでは置いておいて、かなり緊迫した状況だったことが分かります。
駅自体は助かりましたが、周辺の店舗での火災で大火に見舞われた2014年3月の大阪・十三の「しょうべん横丁」の火災の時、当時助役をしていた兄貴は警戒のために、火災現場のすぐ隣に位置する十三駅の神戸線下りホームに立っていましたが、火災の熱と煙がすごかったらしく生きた心地はしなかったと言ってましたし、友人が担当していた列車は十三駅に停車するものの扉扱いをするなと指示され、信号が現示されるまでの約30秒ほどだったけど、ガラス越しでもかなりの熱さを感じたと言ってました。
兄貴によると、この時は消防のほうから駅は大丈夫と言われたので列車の運休指示は出さなかったらしいのですが、今回の山火事では飛び火による延焼がかなりあったようですし、十三での火災は規模も大きく飛び火による危険性はなかったのか、そもそも火災現場とホームとは至近距離だったし今でも疑問に思います。
前フリが長すぎた…。
普通列車を担当していると、前方に煙が上がっていることを確認しました。
そこそこ距離があるのに煙が確認できるということは、かなりの煙が立ち込めているのでは?
運転士としては線路内や線路の近くでの火災や、現場は線路から離れていても煙によって前方が視認できなければ指令に速報の上、場合によっては手前で列車を停止させるなどの処置をとる必要があります。
今ならば防護無線の発報も必要になってくるでしょう。
※私が乗務していた当時、私が勤める会社では防護無線はありません。
その先線路は少し左へカーブしており、私は煙の場所を目で追いかけていました。
駅に接近して停車させるためにブレーキ操作を行いましたが、この時は煙の発生場所を確認する必要もあると判断したので、制動距離はいつもより長めに取りながら言ってみれば両方の作業を行いました。
煙は線路に隣接するやや大きめの空き地での野焼きが原因で、今のところは煙による運転の支障はないと判断したので、無線を入れずにそのまま運転を継続。
周囲が畑に囲まれた地域ならば野焼きは日常の光景かもしれませんが、家やビルが建ち並ぶ地域の路線ですので野焼きによる煙はあまり経験することがありません。
とにかく、家屋等の沿線火災ではなかったのでホッとして運転していました。
休憩のために乗務区へ戻ると助役に呼ばれます。
「ついさっき、駅へすごいクレームを言ってきた人がいてな、運転士が前方注視をせずによそ見して運転していた。あれは法令に違反しているのではないか? そもそも安全運行を行わなければならない運転士がよそ見をしながら運転するとは、指導もなっていないのではないか? 対処策や当該運転士の処分の結果等を文章でまとめて郵送で送れと言ってきているんだ」
当然事情も説明したのですが、
「相手は最近よくクレームを入れてくる人で、適当な返答をしても納得せずに更なるクレームを入れてくるんだよ……」
「私を悪く書いておけば納得するんだろ? 勝手に書いておけ!」
と返答して続いて、
「じゃあ、どうすれば良かったわけ?」
業務側の返答は、
前方で発煙を確認したら列車を停止のうえ、運転指令に状況を報告したのち徐行で現場まで進行。
現場で停止し発煙の原因等と列車運行の支障の有無を運転指令へ報告。
運転に支障がなければ運転を再開する。
この当時は何をバカなことを言っているの? って感じで聞いていましたが、今はどこの社局もこれに近い運用が行われていますね。
私は人間が大雑把なもので、この程度の確認作業ならばブレーキ操作と同時に行っても何の支障もないと考えていましたが、2000年前後には作業は一つずつ行い結果として列車が遅れても問題がない、そんな思考へと変化していました。
とにかくまずは確認したのちにどう対処するかが大事だと叩き込まれた世代なので、この発煙を確認したときも炎が少しでも見えておればまた違った行動をしていましたけど、炎が見えない段階ではまずその現場がどこなのかを確認してから次の対処法に移る、が基本的な行動でしたからね。
どのようなことを書いてそのクレーマーに送り付けたのかは知りませんが、その後しばらくは添乗攻めに遭い、
「運転中は前方注視! 信号と今走っている線路だけ見ておけ!」
と添乗の度に言われ続けるので、
「わかった、わかった、前だけ見てりゃいいんだろ? 線路の真横で家が燃えていても横は見ちゃいけないから見ずに素通りするし、下り走行中に上り線のレールを枕にして寝ているヤツがいても見てみぬふりするよ」
あまりにしつこいから、こんな返答をしたのもイイ思い出??