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モバイルバッテリーが出火→ドアコックを勝手に操作?

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モバイルバッテリーからの出火のニュースを散見しますね。

2025年7月20日16時10分ごろに、山手線の新大久保~新宿間を走行中の車内で乗客が持っていたモバイルバッテリーから出火。

やけどしたのはモバイルバッテリーの持ち主の方かな、1人がやけどして、4人が避難する際に軽傷を負ったようです。

突如車内で何かが燃えればパニックなるのは当然だと思うし、我先に逃げようと車内は混乱したことは想像に容易いです。

おそらく車内非常通報装置(SOSのボタン)は押されていたと思うので、少なくとも車掌には何かが車内で起きたことは伝わっているでしょう。

 

このケースだと取りあえずは隣の車両へ移ってください。

不安ならばもう1両隣へ移ってください。

その際には必ず貫通扉は閉めて下さい。

バランサーか何かついていて勝手に閉まるとは思いますが、とにかく閉めておけば、よほど大きな火でない限りは隣の車両へ燃え移る危険性はかなり抑えられます。

 

ドアコックを扱って車外へ出た乗客がいたそうですが、それは乗務員からの指示があって行ったのでしょうか。

指示もなく勝手に線路へ降りたとすれば、走行中の他の列車に接触して命を落とす危険性が極めて高いので、絶対にやめてください。

 

車内非常通報装置を押された段階では周辺の列車は通常走行をしています。

押された原因が特定されていない段階では、周囲の列車を止めることはありません。

通常押される原因は急病人の発生を知らせるケースが多いのですが、さすがにこれで周囲の列車を止めるわけにもいきませんし。

 

中には車外へ避難しなきゃ危ないという判断をする人がいてもおかしくはありません。

そこでドアコックを操作して勝手に車外へ避難しようとするのでしょうが、ドアを開ければ運転台の合図灯は消灯しますが、自動的にブレーキがかかるわけではありません。

運転士が消灯を確認してからブレーキを入れて止めます。

今回のケースだと先に駅間で列車が止まっていたはずですが(車内非常通報装置を押されたら運転士は列車を止めます)、この時点で周囲の列車の停止手配(防護無線)は行いません。

合図灯の消灯に運転士が気付けば防護無線を動作させるかもしれませんが、運転士ってずっと合図灯を見ているわけじゃなく、合図灯が消灯したからと言って何かが鳴動するというものでもありませんので、運転士が合図灯の消灯に瞬時に気付くとは思えません。

そもそも走行中に合図灯が消灯すれば気付きやすいのですが、駅間を含めて列車停止中に合図灯の消灯に気付く運転士ってあまりいないと思いますしね。

車掌は非常通報装置を押された現場へ急行していると思われますので、運転士は列車無線で指令とのやり取りを行うのでしょうから、この時に合図灯を注意して見ている運転士はいないでしょう。

当然ですが防護無線によって列車停止手配ができていなければ、勝手に車外へ出たら運行中の他の列車との接触の危険性もあるし、停止した場所によっては橋梁上など避難が難しい場所もあり、列車から飛び降りた時点でどうなるのか……。

「ドアコックを操作して車外へ避難しているのだから、周辺の列車は全て止まっているはず」

なんて思い込みはやめましょう。

あくまで乗務員の指示がある場合だけ、ドアコックの操作をしても問題はないのですから。

 

列車火災の場合ですが、最寄り駅までの運転が原則です。

新大久保と新宿の駅間距離は1.3Kmですし、車内で旅客の持ち物から出火していますがよほどの大きな火でなければ、すぐに運転を再開して次の駅で降りてもらうのがもっともよい判断だったのかなと思います。

今回のモバイルバッテリーからの出火もすぐに消火器で消し止められたようですし、最寄り駅まで運転後に全員下車してもらう原則にもとづいた取扱いが正解だったと思います。

※後からは誰だって偉そうに言えるわけですが……。

 

モバイルバッテリーではありませんが、運転している時に車内のシートに火をつけられたことがあり、この時も次駅まで運転しました。(シート自体が難燃性で簡単に燃え上がったりしませんし)


 


 

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ご覧いただけたら幸いです。


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