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居眠り運転が良いはずはないけど、何をどう指導するのかな?

運転士
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最近は1~2カ月に1度くらいのペースで、運転士が居眠りしていたというネットニュースを目にします。

そのたびに判で押したように会社側は、

「厳しく指導」

という言葉を持ち出していますが、何をどう厳しく指導するのかな?

夜はきちんと寝ろ!とでも指導しているとすれば、

「じゃあ睡眠不足に陥らないような仮眠時間を確保しろ!」

としか乗務員側からは言いようがありません。

 

私が駅勤務をしていた1980年代は1人で泊まる駅が多く、終電まで勤務して翌朝は5時前に起きるシフトになっている駅が多かった。

終電が出ていってすぐに床に就き、5時前まで眠れたとしても睡眠時間は4時間半。

でも終電が出た後に券売機や自動改札の電源を落として駅を締め切り、そこから寝る準備をして床に就けばよく眠れても4時間の睡眠確保も困難です。

これが助役になると事故や車両故障の対応後に報告書の作成などをしていると、一睡もできない日も珍しくはない。

助役で運転指令に配属されると、夜間作業の対応(レールの交換や架線の張替え、突き固め作業など)のために夜眠れる日のほうが珍しい。

私がいた会社では、駅や助役は週に3回の泊り勤務が基本。

24時間勤務・明け・24時間勤務・明け・24時間勤務・明け・公休という1週間のサイクルで、駅勤務の頃は4週間に一度公休が3日続いたり、助役の時は2週おきに3連続公休となる変形労働時間制でしたが、実際には3連続公休となる日に代わりとなる人員が昔からおらず、結局は休日出勤で24時間勤務に就いていました。

でも駅や助役の泊り勤務は出退勤の時間が一定で、しんどいながらもまだ生活リズムとしてはまだまし。

乗務員は出退勤時間がバラバラな中での泊り勤務ですから。

泊り勤務で早い出勤時間は9時くらいだったかな、そこから日付が変わるくらいまで乗務して、翌朝は6時くらいから朝のラッシュが終わるころまで乗務したり、夜は11時ごろまで乗務して翌朝は始発から乗務で朝ラッシュが終わるころまでとか。

遅い出勤だと15時ごろの出勤で最終まで乗務し、翌朝は6時ごろから14時とか15時くらいまで乗務とか。

出勤時間は泊り勤務だと9時から15時までの間に多数設定されていますから、同じ時間帯の出勤が続くことはまずない。

毎回出勤時間帯はバラバラ、当然退勤時間もいつもバラバラです。

そこに日勤勤務もあるのですが、私がいた会社では始発から乗務する日勤の仕業もあったし、最終まで乗務する日勤仕業もありますし。

 

泊り勤務だろうと日勤勤務だろうと、前日の勤務終了時間から翌朝の勤務開始時間までは6時間以上空いていますが、泊り勤務で乗務が終わってからお風呂に入るなどしてから寝床に潜り込み、翌朝も身支度を整えてから勤務開始となると、実際に眠れるのはよくて5時間、通常は4時間程度になります。

事故などでダイヤが乱れた場合は勤務終了から翌朝の勤務開始までは4時間空いていればよく、2時間以下の睡眠での乗務もごく普通にあります。

日勤の場合でも夜仕事が終わって翌朝の出勤までは6時間以上空いていおればOKと言うルールだったので、仕事が終わって帰宅しほんの少し横になって出社ということも珍しくはなく、家なのに2~3時間しか眠れないなんてことも。

他社がどのようなシフトを組んでいるのかまではわかりませんが、どことも似たような感じなのかなとは思います。

 

居眠り運転の対策として刺激が強めのガムを噛むというか口に含んでいたり、フリスクやミンティアを口に含んでいました。

奥歯あたりの歯茎の外側にガム・フリスク・ミンティアなどを含んでおくと、口の中の粘膜部分(ほっぺの内側)からきつい刺激が伝わってきて、痛くて眠りに落ちにくくなるんです。

ミント系の刺激が強いガムをこの部位に含んでおくと、粘膜部分が少し荒れ気味になるほど強烈でした。

でも

「ガムを噛みながら運転していた!」

っていう苦情が来る可能性もあるのが難点でしたけどね。

 

朝のラッシュは気も張っていますから眠たくはなりにくいのですが、ラッシュが終わってほっと一息ついたころに眠気が襲ってくるんですよ。

朝の9時過ぎの居眠り運転の報道を見ると、睡眠不足だけど何とか頑張って朝のラッシュは絶えたけど、ちょっとホッとして眠気に襲われたのだなとしか思えません。

 

私もそうでしたが、ラッシュの時間帯に眠くなったらまずいからと、朝食をとらずに乗務する人はかなり多かったです。

同じようにお昼を回っても乗務するシフトの時は昼食もパスしてコーヒーだけで済ませるなんて乗務員もいました。

泊り勤務で14時や15時までの勤務なのに、起床してからコーヒー以外は何も取らずに乗務し続ける、そんな乗務員もいました。

※何も食べないのは腹痛対策でもありますけどね。

 

こうやって対策を施しても、居眠り運転を指摘(クレーム)される乗務員も多かったように思います。

今のようにマスコミで報道されることは少なかったとは思いますが、よくお客さんに言われることに、

「プロという意識が軽薄すぎる」

「翌日の仕事に備えて前日から体調を整えるべき」

「大事故に発展したらどう責任を取るつもりなのか」

って言われるんです。

お客さんからすればそう思って当然ですよ。

4時間以下しか睡眠を取ることができない状態で乗務しているなんて思わないですからね。

 

公休や非番の日に爆睡できれば良いのですが、残業は休日出勤で駆り出されることも多いし、定期的な研修も非番に行われることが多いから、結局睡眠を取れない日が続いたりするんです。

 

働いていた時はこれが普通だと思っていたし、何とか苦情が出ない程度に勤務しなきゃとあれこれ苦労を重ねていましたが、会社を辞めた今になって思うことは、

居眠り運転をなくしたいのならば、会社が勤務形態を再考しろ!

人員を増やせないのならば運転本数を減らすしかないだろ。


 


 

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